駄目な私を助けてください!!

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「実家でイチャイチャするとはいい度胸だな。」 目を開けると目に入ったのは祐兄。 しまった。 私は慌てて係長のー腕の中から抜け出した。 「ちょっと勝手に入ってこないでよ。」 とりあえず怒ってみる。 「心配して来てやったのになんだその言い方は。 だいたいお前は自分の部屋にいるはずだろ。」 「そうだけど……。 係長をここに案内したら疲れて寝ちゃったの。」 「ふーん。 疲れて抱き合って寝ちゃったのか。」 「うるさいなー。」 祐兄は意外にも笑っている。 あれ?怒ってない? 「まあ、仲良くしろよ。 いい奴みたいだし。」 「うん。」 これは係長が祐兄に認められたって事なのかな? お父さんと係長が起きてきたのは朝10時を過ぎた頃。 二人共ひどい顔をして座っていた。 お父さんが一言、 「飲みすぎたな。」 そう言うと、係長も、 「はい。」 そう答える。 なんか意外といいコンビかも。 二人は遅い朝食に手をつけながら暗い顔をして機械的に口を動かしている。 あれだけ飲んで翌日朝ごはんを食べられるのは流石だとしか言いようがない。 「お父さん。」 係長が口を開いた。 「今日沙也加さんを連れて帰ってもいいですか?」 「何?」 お父さんの眼光が鋭くなる。 「連休中は電車も混んでます。 私は車で来ているので私と帰ったほうが楽だと思うのですが。」 お父さんは動きを止めて考える。 「沙也加はどうしたい?」 「一緒に帰ってもいい?」 「そうか……。 好きにしなさい。」 「ありがとうございます。」 係長がそう言った。
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