355人が本棚に入れています
本棚に追加
「お姉さんはどうしますか?」
私はベッドの上で係長の胸に絡みつく。
係長の匂いがして、張りがある肌に触れて、係長の声が自分のすぐ近くで聞こえて、五感で係長を感じられるからこうするのが好きなのだ。
「早いうちがいいと思ってるんだけど……。
沙也加……大丈夫?」
お姉さんに私と付き合っている事を言うと決めてもまだできずにいるのは係長が私を気遣ってくれているから。
付き合ってることをお姉さんが知ったら何をされるかわからないと係長は言うけど……。
私はそれに耐えられるかと問われているようにも思えてくる。
私は係長に絡みつかせた腕に力を込めて頷いた。
「ちゃんと守ってくれるんでしょ?」
「もちろん守るけど、嫌な思いをするかもしれない。」
「すぐに別れるつもりならこっそり付き合った方がいいけど、残念ながらずっとつきまとうつもりなんで大変なことは先に解決しましょ。」
係長は私の頭を優しく撫でる。
「来週実家に行くか。」
係長は私に聞くではなく、一人でつぶやくように言った。
最初のコメントを投稿しよう!