駄目な私を助けてください!!

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5日目。 もう流石に肩も目も辛い。 今日もやっぱり残業。 終わったのは8時。 やってくる係長。 「終わったな。」 「はい。」 「同じ様な書類ばかりなのに、どうしてこんなに終わる時間が違うかわかる?」 「慣れ……ですか?」 「確かに、慣れとも言えるな。 この書類の場合、チェックする項目は限られてくる。 だから、どれだけ効率よく必要な項目を探し出せるかが、どれだけ早く仕事ができるかになってくる。 ただ、見落としがあってはいけないから、それをきちんとできるようになるには回数をこなして慣れるしかない。 本当は一日分に分けた一つの山を定時までに終わらせるのが目標だけど、まあ、頑張った方だろう。」 これは褒められたのかな?? 下を向いて小さくガッツポーズ! 「今日気づいたことは?」 「未処理のものについてですが、それらすべてを経理に上げていないものだとすると、かなりの回収漏れになってっていると思います。」 「そうだ。 もう終わった昔の書類をチェックさせたのは、仕事の怠慢でどれだけの損害があるかを知って貰いたかった。 また、過去の取引データを見る事で取引先別の傾向も知る事ができる。 これから書類をチェックする時は、未処理のものがないか、確認する事と、顧客の傾向を頭に入れながら処理する事、必要な項目を効率よくピックアップする事を心がけてやってくれ。 おつかれ。」 「お疲れでした。」 もしかして、私の為に毎日時間を見て戻って来てくれてたの? やっぱりこの係長よくわからないや……。 ああ……頭がクラクラする……。 フラフラしながら家に帰る。 私は今、この間別れた彼氏、晴人(ハルト)の部屋に晴人と一緒に住んでいる。 大学から付き合っていて、就職するときに大学の寮から晴人のアパートに一緒に住み始めた。 と言っても、晴人はバーで働いているので、夜はほとんどいない。 ずっとすれ違いの毎日だった。 もう別れたんだから新しい部屋を探さなきゃ。
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