正反対の二人

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まだ、僕来週来るとか言ってないけど。しかし、嫌という前に時間指定をされてしまった。これだから自己中な不良は!と思いつつも。今回は結構奢って貰ったし、しょうがないから、来週も付き合ってやるかと、ほだされ始めていた。 こいつはうるさいけれど、嫌な奴では無いというのが話の内容からも理解できたし、勉強の邪魔は絶対にしない事をしっかり約束させて、まぁいいよと素っ気無く了承してやる。 僕はこんなにも甘い人間ではなかったはずなのに、何故だかこいつには突き放せない何かがあるようだ。不良もパリピも嫌いなのにどうしてこうなったのやら。  それからは、毎週土曜の午前中のみ彰吾と図書館で待ち合わせて僕は勉強をしつつ、奴の本を読む手助けをしてやっている。  段々と漢字になれ、ショートショートや童話を卒業し、少しずつ長編の純文学やミステリーに手を出し始めた奴に僕は素直に感心する。  アホも学べば変わるものだなぁと。  季節が変わっても相変わらず、奴の頭は茶色いし、なんでかピアスは増えてるし、服はやっぱりパーカーだったりスカジャンだったりしたけれど、毎週しっかり同じ時間に来て、本を読み。終わったら一緒にファミレスでご飯を食べて、ガラス張りのカフェでフラペチーノを飲んだ。  因みに僕はあまり甘いものが好きでは無いので、二回に一回は飲むのを断る事にしている。  シンプルなブレンドを飲み日だってあるわけだし。     
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