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そうして数か月後、桜が綺麗に咲く季節。
僕と彰吾は東京のとある小さな図書館で、隣同士に座って本を読んでいる。
奴はやっぱり茶色い髪でピアスを付けて、静かに村上春樹を読んでいた。
そして僕は、分厚い眼鏡を卒業してコンタクトデビューを果たし、しかしながらやぼったい黒髪のまま、大学のレポートに使う経済本を読んでいた。
「透」
彰吾がこっそりと僕に耳打ちをする。
「この後あのカフェに行こう、新作のフラペチーノが出たんだよ。」
「いいよ、でも僕は半分しか飲まないからね。」
お約束の言葉を二人呟いて、顔を見合わせ笑う。
ここまでは、あの静かで小さな町の図書館にいた時とは何も変わらない。
でも、新作のフラペチーノはテイクアウトして、狭い部屋で二人、彰吾の読んだ本の感想を聞きながら、その甘さを半分に分かち合うのだ。
END
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