手記1

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この世には悲しい事が掃いて捨てるほどある。例えば、寝坊して朝ごはんを食べる時間を確保出来なかったり、雨上がりの道を走っていたら転んで泥だらけになったり、誰かを殺す方法を考えなければならなかったり。 そんな事が無い昔は良かったなどと考えもしたが、よくよく考えてみると昔からそんな事ばっかりで、あまり代わり映えはしない。では、何が変わったと言うのか。 周りの環境ー所謂時代が変わったのか、私が変わったのか。恐らく、どちらも変わったのだろう。仕方がない、この世に不変な物などありはしない。遠い異国の言葉では、諸行無常と言うらしい。 そう、何物も変わりゆくのだ。彼女とて、例外ではない。私が変わる事に寂しさや悲しみを覚える事は無いが、彼女については寂寞も悲嘆も、憐憫を抱いている。 明日は煩い連中が群れで来るとの連絡があった。どのように突き帰してやろうか、今から考えねばならない。ああなんと面倒で、なんで不快な気分になることか。 ああ、彼女と彼とー仲間たちに会いたい。
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