金色の狼(ラダ)

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 月の光が、スッと森に道を指し示す。川沿いをキラキラ光の道が敷かれていく。まるで金色の絨毯が敷かれたみたいで、綺麗で笑った。  川沿いを歩いていくと、少し遠くに人が見えた。こんな時間に大人数でこちらに来る、しかも男の人ばかりの集団に体が強ばった。アルブレヒトに乱暴をした男達を思いだしたのだ。  逃げたい。そんな思いに体が強張り動けなくなったラダは……だが、その先頭を歩く人を見て全ての恐怖が消えた。  月明かりの下、その月と同じく光る長い金髪の綺麗な人。夜空のように深い青い瞳が真っ直ぐにこちらを見る。凜々しくて、見つめた途端に一切の恐怖が消えて呆けてしまった。  金の、狼……  感じた途端、ラダは走り出していた。胸が締まって苦しくて痛かったけれど、その足を止める気持ちはない。まるで飛び込むように、ラダは金色の狼ランバートへと飛び込んでいた。 「え?」 「たす、けて! アルブレヒト、様を……助け……っ」  息が吸えない、ドクドク心臓の音が全身に響いてくる。体中が熱い。 「クリフ!」  崩れ落ちたラダを横抱きにしたランバートが木陰へと運び、柔らかな草地に寝かせる。その側に小柄な少年が来て、脈を測ったり体温を測ったりしていた。 「神子姫?」     
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