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アルブレヒト死亡。これは意外と深い影をこの国に落としたのだろう。市井の人々の希望を折り、諦めさせた。この国は何も変わらないのだと、人々は思ったのかもしれない。
「そうなると、教会に美女が助けを求めて駆け込んできた時にそういう奴がいたら」
「食いつくね」
ニヤリとレイバンが笑い、数人が知らんぷりをする。
「チェルルは駄目だ。顔を知られている可能性がある」
「クリフも外す。襲われた時の対処に不安がある」
「ハリーは腹芸できないから、パスだね」
「そうなると……」
自然と視線がランバートとラウルに集まる。騎士団の基本、二人一組だ。
「まぁ、今更……だよね?」
「それを言われると諦めがつく自分が嫌だ」
苦笑するラウルに肩を叩かれ、ランバートも観念する。そして、町娘っぽい衣装をフリュウが用意して、慣れた女装が始まる。
もう、一生分女装はした。もう二度とするものか。
ランバートは密かに己に誓うのだった。
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