2248年、私の旅

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2248年、私の旅

2248年、私は宇宙を旅していた。私は人類が生み出したかつて人工知能と呼ばれていたものが、我々の手を離れ遠い宇宙の彼方まで広がって行ったその星々を見て回っていた。 この星は、太陽に似た光を放つ恒星を持っていた。しかし恒星が太陽に比べるとだいぶ小さいので、あまりはっきりとした光は届かず、霞みがかったかのような光しか届かなかった。 私の立つこの場所は、この星の朝を迎えようとしていた。僅かづつではあるが、硬く乾いた砂の舞う大地に光が届き始める頃、それに呼応するようにとてもゆっくりと金属の針金のような形状の、鉄屑のように意味をなさないものたちが動き始めた。その動きはとてもゆっくりで、地球にある植物の動きの速度を思わせた。しかし目で見てわかる動きなので、植物よりは成長が早いようだ。本当に僅かづつだが、彼らは砂の中から姿を現してきた。     
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