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出会い
『いつからだろう。君を好きになったのは』
暖かかな、そよ風が、私の髪を仄かに靡かせる。
周りには、ピンク色に染まり花吹雪が舞い、春の訪れを知らせていた。
私こと神崎 音羽(16)は、この春青山女子高等学校に入学した。
赤いチェックのスカートに、可愛らしい赤いリボンの着いたブレザー真新しい制服を身に纏い『私立 青山女子高等学校』と、表示された校門前に目を輝かせながら立っている。
辺りでは、生徒や保護者の声で賑わっていた。
私は、とある事情があり反対されながらも、やっとの思いで入学できた事に喜びを感じている。
高鳴る胸を押さえながら深呼吸をし、
『初めての一歩』と小声で呟き校門を潜る。
『やっと思いを叶える事が出来たよ、お母さん』と空を見上げた。
校庭の脇を歩き散策していると満開に咲いた桜の並木道が音羽を出迎える。
『綺麗だなぁ』
100mはあろう道を、導かれるようにゆっくりと歩みを進めた。
半分くらいまで、歩いた時、突然の突風に目を瞑る。
2~3秒くらいして風が止み目を開くと、
今まで、感じた事がないくらい不思議な気持ちになった。
桜がハラリと舞う中、2mくらい先に1人の少女が立っていた。
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