出会い

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風に靡く艶やか黒色の長髪を耳にかけ、桜の花びらに触れるかのように右手傾け朧気な様子で立っていた。 私は、その少女の妖艶な姿に見とれてしまった。 まるで、時が止まったかのように。 数秒たった頃、私の存在に気づいた少女は私と目を合わせた。 少女は首を傾げ 『何か?』と尋ね私へと歩いてくる。 『あっ!いえっ!別に……』 顔を赤らめ慌ててる私に、くすりと微笑み。 『あなた1年生?』 『あっ!はいっ!なぜ分かったんですか?』 『だって、この場所初めてきたような顔付きだし、 それに、リ・ボ・ン』 少女は、自分の青いリボンに指を翳す。 『えっ?』 『私達2年生は青で、3年生は緑だから』 私は、少女と自分のリボンを見比べてみた。 『本当だ……』 『ようこそ!!青山女子高等学校へ!!』 先程の朧気に桜を見上げていた様子とは違い、満面の笑顔で右手を翳し握手を求めてきた。 『あっ!!はいっ!!こちらこそ宜しくお願いします!!』 互いに握手を交わす。 先輩の手はとても優しく女性らしい柔らさだ った。 『何か分からない事があったら何でも聞いてね?』 『ありがとうございます』 舞い散る桜は、私達を優しく包み込んでくれていた。 それが、私と先輩との出会いだった。
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