長靴をはいた猫(ジェイク×レイバン)3

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 知っているように亀頭を擦られ、突き抜けた快楽に頭のてっぺんまで串刺しにされる。トプトプと白濁が弾け、肩で息をしている。余韻まで長い。呆けたまま、戻ってこない。  男はランバートが吐き出したものをペロリと舐める。薄い唇から赤い舌が覗く姿すら、淫靡に見える。黒い瞳には欲望が見えて、ゾクゾクっとイッたばかりなのに体がまた痺れてきた。 「改めて会いにくる。その時には、お前が欲しい」  丁寧に持っていたハンカチで体を拭った男はそう言って踵を返す。その背を、ランバートは情けないが追えなかった。腰が抜けて追えなかったのだ。 ――改めて、会いに来る。  その低い言葉が何度も繰り返されている。 「駄目だ、捕まる……」  頭を抱えて、ランバートは困ってしまった。貧乏粉引き屋の末息子。多少見てくれがいいだけ。家も職もないのに獣人を養っている。そんな奴が、誰の所に行けるんだ。  格好は普通だった。けれどきっといい所の人だ。ハンカチだって質がよかったし、肌も綺麗だった。  こんなの、釣り合わない。  重く溜息をついて、ランバートは項垂れる。そして願うならばもう二度と、あの男には会いたくないと思った。次に会えばその時は、きっとランバートは身分もなにも考えられないままに男の求めるまま身を委ねてしまうと予感していたから。
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