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長靴をはいた猫(ジェイク×レイバン)3
翌日も同じように、レイバンは獲物を捕まえに出かけていった。
ランバートもそれから少し遅れて森へ向かう。献上用の獲物はレイバンが獲ってくれているのだから、その日食べる獲物はランバートが確保しなければ。
幸い小屋には古いが弓があった。矢もある。それらを使って昨日はカモを仕留めたのだ。
森を分け入り、獲物を探して辺りを窺うランバートの目にふと、人影が映った。
見惚れるほどの雄々しさと、神秘さがある。長い黒髪に、白い肌、眦の切れ込んだ黒い瞳。服装こそ普通だが、漂う空気は違っている。捕食者の風貌だ。
その瞳がランバートを見つめ、驚いたように僅かに見開かれる。そして、こちらへと近づいてくる。
逃げなければ。本能はこの人物の危険性を感じて警告を発する。だが体は思うようには動かない。目を外せないままジリジリと後退し、やがて背が木についてしまった。
男は目の前まできて、顔を覗き込む。マジマジと見て、不意に鋭い笑みを浮かべた。
あぁ、食われる。もう、逃げられない。
背中の木肌に触れた。だが男の手がランバートの腰と片手を捕まえると、後はなすがままになった。
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