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昼休み
騒がしい昼休みが終わった、ガヤガヤとうるさかった生徒達が気だるげに徐々に席に戻って行く。
「な、な、お前さ、あのサラちん好きなの?」
「うるせえ、どうだっていいだろ、前向けよ」
「やだよ!俺は知りてぇし!」
ふと、隣の楯山が冷やかすように、授業中に話しかけてきた。
「うるさいぞ、楯山!」
先生に怒られ、それをまたひょうきんな態度で返して、クラスを笑わせた
楯山は悪いやつではないのだ、男の僕から見てもイケメン、には入ると思うが、なんせ性格があれだ、それさえ直せば昼休みに毎回聞くカノジョ居ない攻撃は無くなるのだろう。
僕は葉山紗来の事が好きだ、クラスでも一位、二位を争う美人だ。それが故に、サラに恋愛的な好意を持つ男子生徒は決して少なくないのだった、それでもごく稀に自分から玉砕しに行く輩は居る。正に高嶺の花、僕には一生かかってもその花を買う事は出来なさそうだったし、それに、もし買えても、僕が枯らさせずにその花だけを愛す自信など何処にもなかった。
その日の昼休みは、楯山と一緒に昼飯を食べる筈だった。
「あー……悪ぃ!委員会があってよ……」
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