過去・雅龍との出会い

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俺が小学4年の頃、両親が離婚し、父方の祖父に預けられた。昔空手の師範の鬼だった祖父との生活は規則正しく厳しかったが楽しかった。 そんな祖父が小学6年の時に交通事故で亡くなると、父親は恋人がいるからと通帳を渡し俺を放棄。寂しかった俺は中学に上がると同時に…まぁ、不良になった。 それなりに不良人生を楽しんでいたが、中学3年の終わり頃、どん底に落とされた。 行方不明になった父親の借金のためヤクザさんに俺はあっけなく捕まったのだ。始めは抵抗したが多数だったので勝てるはずもなくボコボコにされ降参した数週間後、借金返済の為ホストクラブの店で内勤、ボーイのアオイ(源氏名)として働くことになった。 ここ、ホストCaratは特殊な店で来る客は老若男女。すべて個別の部屋で接客し、客同士が鉢合わせないように配慮され、同意であれば何でも出来ると言うのがこの店の売りでかなり儲かっていた。 俺はそこでちょっと失敗しては怒鳴られ殴られの繰り返しの日々にイライラ。 最初は我慢だと言い聞かせ頑張っていたが、限界が来た。 もういいよなぁ…っと殴り返そうとした時、ナンバー1であるタツミさんが割って入ってきた。 「はいはいはーい、ストップね。アオイ、オーナーに呼ばれてるからついてきて」 と言われ、握った拳を下ろしついていくと、 「お前、今日からホストだから」 っと一言で部屋から追い出された。
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