過去・雅龍との出会い

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意味がわからん…っという顔をしているとタツミさんが俺に説明してくれた。どうやらVIP客が俺の顔が気に入ってホストにして欲しいと要望があったらしい。 ボーイよりホストの方が稼ぎがいいので借金が早く返せる!と、この時考えもなしに喜んだ。 が、実際ホストをやってみると、失敗の連続で客を怒らせ、先輩達やオーナーからも怒られ、どん底にいた。 そんな俺にタツミさんから、 「しんどいなら、キャラを作ってみたら?」 のアドバイスを頂いた。 キャラを作る。その一言が俺を変えた。 ホストの俺、アオイの時は、常に笑顔で、茶髪のちょいチャラ男風に。それでいて黙っていればミステリアスな感じにしようっと。 キャラを作るようになってから、最初の頃が嘘みたいに上手く行き始めた。 更に客を喜ばせるため、どんなタイプが好みかを聞き、演技をすることにした。最初は照れくさかったがだんだん演技していく内に慣れていき、お蔭で半年でトップ5まで上り詰めた。 毎日毎日何時間も演技し、客の望むまま好きなように自分を差し出した俺は、次第に何かが壊れていくのを感じたが、見て見ぬふりをし、蓋をした。 ホストになって半年。突然、終わりはやってきた…。
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