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日常
外は雨。毎日飽きもせず降り続ける雨とジメジメした湿度、そしてこいつらの存在が俺、小鳥遊暁(あきら)をイラだたせる。
「青葉先生、昨日コンビニで俺様スイーツの新商品買って食べたけど、ちょっと甘かったけど美味しかったよ」
「あぁ、高橋が言ってたヤツだな。俺も食べてみたよ。俺には甘すぎたが…」
「えーあれぐらいで甘すぎたって…もしかして先生って辛い方が好きな系?だったら何で食べたの?」
「あー、高橋が好きだと言ってたから食べてみた」
「先生…えへへ」
めちゃめちゃウザイ。どうでもいいことをピーチクパーチクと。女子かてめーらは。
ここは数学準備室。
担任兼数学教師である青葉浩基(こうき)が管理している準備室だ。そこに俺とクラスメート…ダチの高橋譲(ゆずる)が昼ご飯を食べている。ちなみに2人は先生と生徒以上恋人未満の奴らだ。告白済みの卒業まで保留中。
いつもなら屋上で食べるのだがこの梅雨の季節は無理だということでここに誘われた。
俺は別に教室でもいいのだが…譲がどうしてもとお願いしてきたので、「週3昼飯をおごるから!」という言葉で同意した。
同意したもののすぐ後悔した。
屋上とは違い2人との距離が近い。そのため、甘すぎる雰囲気が直接見えて気持ち悪いし、居心地が悪い。
俺はポケットからイヤホンを出し、そっと耳に付けた。
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