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『
当たり前のように過ぎていく
平和過ぎて何とも言えない気持ち
ドウニカシテクレ
目の前 真っ暗 頭 ユラユラ
ズキズキ痛んで 胸の奥ザワザワ
夢か現実か ワカラナクナル
殴り合う事も
怒鳴られる事も
馬車馬のように働くこともない
heavenのようなplace
ただそこにいればいい
……… 』
「…お…おい!暁!!」
急に右肩に手を置かれ、ビクッと肩を震わせ振り返ると譲が心配そうに俺の顔をのぞき込んでいた。
譲の表情の意味がわからず俺はイヤホンをとる。
「どうした?」
「えっ…暁、それって…」
「あぁ、ワイヤレスイヤホンだが何か?」
「って、それしてて返事がなかったのか!俺が先生ばっかと話してたから拗ねて無視してるのかと思った」
ほっと安心したように一息つくと、すぐにニッと笑ってイヤホンを指差す。
「何聴いてたんだ?」
「ん」
ワイヤレスイヤホンを渡すと譲は耳に入れた。
「あーこれか!聴いた事ある!えっと…確か『霧雨』の…何だっけ?」
「『destroy』だ」
「そうそう!それそれ!確かラジオ企画で歌詞を募集したやつだったよな」
バンド『霧雨』。
コン、テツ、アカ、レンの男4人グループバンドで、速いテンポのエネルギッシュな歌を歌ったかと思えば、甘くゆったりとしたバラードを歌ったり、どこか懐かしいノスタリジック曲を歌ったりするので幅広い年代に人気なバンドだ。
その霧雨がラジオ番組を盛り上げる為に企画したものがこの歌。4人全員が気に入れば歌詞に歌をつけてくれると一時期盛り上がった。
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