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「俺は、曲は好きだけどこの歌詞はあまりすきじゃないな。だって意味わかんねぇし」
「…歌の歌詞なんてこういうものだろ」
「そっか?」
うむーと首を傾げる譲の後をふと見る。
あれ?青葉先生がいない。
「ところで青葉先生が見当たらないが…」
「あぁ、青葉先生なら電話がかかって廊下で話してるよ」
「そっか」
興味なしとパンにかぶりつく。それをじっと見つめられたので眉間に皺を寄せ睨みつける。
人の飯食う邪魔するんじゃねぇよ。
そんな睨みなどお構いなしに譲は隣に座ってきた。
「そういえば暁、最近弁当作ってこないな?兄ちゃんはいいのか?昼飯食わないからって弁当作ってたんだろう?」
譲が言う兄は本当の兄ではない。兄、小鳥遊雅龍(がりゅう)さんは約1年半前、終わるはずのない生活から俺を助けてくれた神様だ。
色々あって一緒に暮らし始めた半月後、
「弟にならないか?」
っと言われ頷くと、次の日には養子となり家族となっていた。
あまりの手際よさにちょっとびっくりはしたが…。
ちなみにその時に知ったのだが、雅龍さんは母方の伯父の子供、つまり従兄。母は駆け落ちで結婚し、小学4年の頃に離婚したので俺は知らなかった。
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