後書き

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後書き

宮川淳氏の「鏡・空間・イマージュ」にインスピレーションを受けて書いたわけだが、どうもその本質をまだまだ言語化できるほど掴みきれていないように思われる。「言語の限界は世界の限界である」とかの有名な哲学者、ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは言ったが、案外何かを「言葉」にするということは、見たもの、聞いたもの、感じたもの、触れたもの、匂ったものという「現象」を枠組みの中に埋め込みコミュニケーションを図るということなのでとても難しいはずなのだ、本来は。だから言葉を交わしても分かり合えない、心のこもってない「好き」という言葉を本気で受け取られてしまう、嘘をついかれても信じてしまう。太宰治は言葉は人々の「不安」にキノコのように生えたのが「言葉」であると言っていたが、あながち間違いじゃないのだろう。     
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