君と出会った日

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寒さに凍える私は、ふと空を見上げて呟いた。 『……寒いよ』 見上げた空からは真っ白な粒がいくつも降り注ぎ、それは冷え切った私の身体を更に冷やした。 まるで、私の心を写し出しているかのような空。 冷え冷えとした空を見上げ、私は今にも泣き出しそうな顔をして声を上げた。 『寒い……誰か……助けて』 寒さに僅かに目を細めた時、目の前の景色がパッと鮮やく。 真っ赤に色付くそれは、冷え切った私の心にほんのりと暖かな炎を灯し、そして、それは徐々に広がっていった。 凍えるような真っ白な空を遮って、私を優しく包み込んでくれる、その真っ赤で暖かな色。 私は嬉しくて、小さく微笑んで声を上げた。 「ニャア……」 目の前の女の子は優しく微笑むと、私を抱き上げて口を開いた。 「ーー猫ちゃん。一緒に帰ろうか」 私を抱きしめるその腕はとても暖かくて……。 安心した私は、その腕を掴むと嬉しさに声を上げてすり寄った。 「ゴロゴロしてるのー? よしよし、寒かったねー。早くお家に行こうねー」 頭上で女の子がクスクスと笑い声を漏らし、私はその心地よい声につられて顔を上げた。 見上げた私の目に写ったのは、幾度となく見続けたあの冷え冷えとした凍えるような空などではなかった。 私に向けて優しく微笑みかける太陽。 ーーこれが、私と貴女との出会いだったんだ。 ーー完ーー
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