わたしとムロくん、そして一生の後悔

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「毎日、ムロくんにお弁当を作ってくる女の子の社員がいるんだって」 と、話してくれた すごくショックだったけどムロくんには怖くて聞けなかった わたしは学生だったから仕事をしている人に偉そうに言ってはいけないんじゃないか と思ってしまっていた それから1年くらいして ムロくんと遊びに出かけて 帰りわたしの家に送ってくれた車のなかで 「もしかして、知ってるかもしれないけど おれさ、会社の人と付き合ってるんだ お前のことも好きだしその人の事も 同じくらい好きなんだ」 雨がすごく降っていて 声がかき消されそうなくらいだった ただただ涙が溢れてきた 同じくらい好き と、聞いた時 もう、わたしよりその人の方が好きなんだろう いや、その人を選ぶよと言われていると思った 付き合いはもう、5年くらい 「おまえの事は大事だった」 「でもさ、おまえは一度もわがまま言わなかった おれの友達の彼女なんてさ、夜中に突然迎えに来てとかあそこに行きたいとかわがまま言ってた それが羨ましくてさ 手を繋いでいても力を入れて繋いでくれてなかった 進学して、どこかに行っちゃうんじゃないかってずっと不安だった おれの事、信用してくれてないのか と思ってたんだよ 会社の人は何でも許してくれた 身も心もね おまえは許してくれなかったよな」 やっぱり     
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