第三章 糾弾

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「川崎の仲間と飲みに行った時に会った、ピアノもサックスもプレイできるアメリカ人のミュージシャンを知っています。彼は母国でも有名なミュージシャンで、今はなぜか日本が気に入って数カ月こちらにいるそうです。金曜ならライブハウス・マホガニーにいると思いますよ」 『お願いします。その方を紹介してください。マホガニーで理由を話します』 「分かりました。私はこれからレッスンに向かいますので、午後8時半にその店で落ち合いましょう」  通話を切ってから、山峰は佐野の協力者の名前を聞けば良かったと思った。  まぁ、今夜会えるのだから焦ることはない。機材の片付いた部屋を見渡した山峰は、部屋から出てドアをロックした。
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