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「暗黒将自身から、重用されるのはありがたいが、魔王様のためにならないと言われた。余は恥ずかしかった……」
「どこまでも有能なのだな……」
「そうだ。仕方なく、暗黒将にはこの城の守りをさせることにした。そうしたら、城内を髑髏で飾り、瘴気を発生させ、雰囲気が出るようにしてくれた」
勇者が通ってきた廊下や、魔王の玉座を飾っている髑髏がそれだろう。
「暗黒将がしてくれたのはそこまでだった。己の身のほどをわきまえている魔物だからな。それを知った砂塵将がお前の燃やし尽くしてくれた薄布を下げていき、豪雪将がそのローブを着せてきた」
「あぁ……」
勇者は小さく声をもらした。
「暗黒将だけに良い格好はさせられぬということだ……。余はいずれ、暗黒将には参謀軍師の任を与えたいと思っておった。だが、そんなことをしたら砂塵将と豪雪将が黙ってはおらぬだろう」
「なんなのだ……。だいぶ疲れそうだな……」
勇者の言葉に、魔王が大きくうなずく。
「余は魔王でありながら、破壊将がそなたに打ち倒されていたことに感謝したほどだった!」
「なんということだ……」
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