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「…千智さん…俺の事…嫌になりました…?」
「…え…?」
「顔も見たくないですか…?」
「……違う…そうじゃない…」
違う…?じゃあ…なんで…
「俺を避けないで下さい…貴方を怖がらせたってわかってます…本当に…ごめんなさ…」
「…謝るくらないなら…最初からすんな…」
…その通りだ…。
欲望に負けたのは俺…
彼が離れていくのが嫌なのも俺…
「……せめて…ちゃんと言って下さい…迷惑だから近寄るなって…」
「………何言ってんだ…俺は…いや、いい…お前今日何時上がりだ?」
「…え?17時…ですけど…なんで…」
「……お前の家に行く。これからどうするかは…そこではっきりさせる…逃げるなよ」
千智さんはそう言い、俺の返事も待たずに歩き出す。
「…あ、おつりっ!」
「後で渡せ」
こちらを見もしないで、彼は立ち止まることなく歩いて行った。
俺はおつりを握りしめ、ポケットへと 捩じ込むと店内へと戻った。
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