第2話 夏だ!ケンカだ!元気な病人ですけど?

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「この前はうちの生徒にケガさせてくれたな!  詫びてもらおうか?」 武術の顧問ゲンが凄む。 「そっちが先にうちの生徒に絡んで 来たからでしょう?」 怯まないジャンヌ。 「こっちは人数少ないんだ、 1対1で勝負しようぜ?」 レスリーが言い終わると瞳が1歩前に出た。 一番弱い人間である瞳だと相手が油断するからと、 作戦立てたのは瞳だった。乱闘になったら レスリー、ジャンヌ、エリーが魔法で倒す。 「ん?魔法使い?いや、知らない臭いだ、 人間か?」 「そうだよ。人間だよ! あんた達を倒す ために召喚されたんだ」 ビビってるのを隠して堂々と喋る瞳。 その後ろでひそひそ話してるグレースたち。 「大丈夫かな? ヒトミ」 「傷口が開いたりしないよね?」 「医療用テープ貼ってタオル巻いてたから、 少しは大丈夫かも……」 リザードマンVS人間、にらみ会うゲンと瞳 先に動いたのはゲン、掴み掛かろうとする右利きだ、瞳は右足右手1歩前に右手を相手の 右手に添えてくるっと回り横に並んだと時に、 ゲンの右足膝裏を蹴り後ろにバランス崩れる、 ゲンの右手の肘に瞳は右足の膝を置き、左手刀でゲンの首に。仰け反るゲン。 「動くな!」 瞳は叫び顔を上げ、武術部員たちを睨み付ける。 静まりかえる広場には夏の夜の虫たちの 鳴き声が聞こえる。 「強い……」「さすがね!」 感心するレスリーとジャンヌ 「動くと先生の腕折るよ? それとも首にする? もうリリーナ女学院の生徒に手を出さないで くれる?」 瞳は余裕の顔、最小限の動きである。 「くっ…くそっ」 「本当に人間か?あのチビ?」 ザワつくリザードマンたちの後ろに緑色の石が入った 杖を持った部員が1人、その隣の部員3人に合図した 3人はゆっくりその場を離れて行く。 「ほら、立ちなよ先生」 瞳がゲンの手を引き上げ立たせた。 「離せ!」 ゲンは部員たちの方へ歩いて行く、 その時、部員たちの後ろから緑色の光が! 「ヒトミ、危ない!」 まさか、魔法が使える部員が居たとは。
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