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「胃に穴あき出血して、腐ってゆくのが、癌だよ」
サラッと言う瞳、ザワつく3人をよそに瞳は喋る。
「この点滴台に付いてる大きな袋が栄養剤、
小さいのが痛み止め、台を持つ所にある筒状のが強い痛み止めでコンセントに……!?
えっ? 白い靄(もや)に繋がって……?」
白い靄の中に頭を突っ込むと、ベッドの上に瞳が寝ている、どうやら白い靄は天井にあるみたいだ。
困惑する瞳。
「えっ!? 何? 幽体離脱?」
「たぶん、意識体だけが召喚されたのかも?」
恐る恐る金髪の少女が言う。
「召喚? 夢の中じゃないの?」
「ここは次界です」
銀髪の少女が近づいて来て瞳の前に胡座をかく。
「私はグレース、天使とヴァンパイアのハーフよ」
他の2人も近づいて来た。赤毛の少女。
「私はエリー、魔法使いと天使のハーフ。そして体大きいけど人見知りなのが、アルマ」
金髪の少女アルマがエリーの後ろから自己紹介する。
「……アルマです。獣人とエルフのハーフです」
「今は入院中って事? 」
グレースが真っ直ぐ瞳を見る。
「!!」
(……顔近い……近いって……)
顔赤くして顔背ける瞳の顔を覗き込むグレース。
「ん? アルマと同じ人見知り?」
「うん。間近で美少女なんて見たことないから……」
「もしかして、オバサン恋愛対象、女性?」
「…………」
「天魔妖精界も、次界も同性愛者は普通にいるよ。同性婚OKだよ!」
グレースの隣りに座ったエリーが言う、頷くアルマとグレース。
「えっ?」
「時代が変わったからね」
顔を上げ少女達を見る瞳に語るグレース。
「私達、落ちこぼれだから勉強を教えてもらいたいのよ。魔法、剣術、武術。私達、子供でお金ないから召喚用の魔法衣無し、術式用の穀物の代わりに果物やお菓子、パジャマ姿で召喚術やってたの」
「それで私が来たと……。武術なら少し習ってたから教えること出来るけど?」
「ほんとに!!」
少女3人声揃い、目が大きく輝く。
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