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「スマホ? スマホだよね?」
電源入れる所も音量も場所は同じ、
違うのはアプリ、そして知らない文字である。
「……読めない」
「使い方はわかる?」
「文字が読めたらね!」
「ヒトミ、目閉じて」
エリーは人差し指を瞳の目にかざし、
小声で何か呪文を唱えた。
「目を開けて、落ちこぼれでもこれくらいは
出来るんだからね」
ゆっくり目を開けてスマホを見ると、
なんと文字が読めるようになった。
「読めた! あ! 通信量や月の料金は?
充電は?」
「大丈夫よ! 心配しなくても充電は1ヶ月もつから、1ヶ月以内にまた召喚するからね」
そう言って魔法陣から出るグレース、アルマ、
エリー。
「もう帰るわ、寮母の先生にバレたら怖いから」
「お大事にしてください」
「またね。ヒトミ」
手を振る3人、ゆっくり魔法陣の光が消え瞳の姿も消えゆく。
瞳が目覚めると暗い病室、静けさの中、個室の出入口付近の小さい灯りだけがついている。
まだ夜中である。
(夢か……しかし、3人共、美少女だったよね!
ん? 左手に何か?)
(……スマホ!? 夢…じゃない?)
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