第1話 夢か?真か?病人ですけど?

8/12
前へ
/543ページ
次へ
「スマホ? スマホだよね?」 電源入れる所も音量も場所は同じ、 違うのはアプリ、そして知らない文字である。 「……読めない」 「使い方はわかる?」 「文字が読めたらね!」 「ヒトミ、目閉じて」 エリーは人差し指を瞳の目にかざし、 小声で何か呪文を唱えた。 「目を開けて、落ちこぼれでもこれくらいは 出来るんだからね」 ゆっくり目を開けてスマホを見ると、 なんと文字が読めるようになった。 「読めた! あ! 通信量や月の料金は? 充電は?」 「大丈夫よ! 心配しなくても充電は1ヶ月もつから、1ヶ月以内にまた召喚するからね」 そう言って魔法陣から出るグレース、アルマ、 エリー。 「もう帰るわ、寮母の先生にバレたら怖いから」 「お大事にしてください」 「またね。ヒトミ」 手を振る3人、ゆっくり魔法陣の光が消え瞳の姿も消えゆく。 瞳が目覚めると暗い病室、静けさの中、個室の出入口付近の小さい灯りだけがついている。 まだ夜中である。 (夢か……しかし、3人共、美少女だったよね! ん? 左手に何か?) (……スマホ!? 夢…じゃない?)
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加