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「汝が男子なれば、
警察か軍隊にでもやれるで御座るが・・・・」
「私が良い出稼ぎ先を知っているわ」
父分之助が再び困惑していると、
母お良が再び具体的解決策を出した。
しかし娘お葉は嫌がった。
「それは百姓と同じく、
身売りで御座りまするか!?
遊郭で遊び女なぞ死んでも嫌で有ります!」
「いいえ長者への奉公です。
私の姉の商人の夫が異国貿易で儲け、
江戸に屋敷を建てたので女中が欲しいと」
「母上!武士の娘が、
商人如きに従うのは嫌で有ります!」
「でも貴女の叔父は華族にも勝るお大尽、
その女中は侍女、
サムライのおんなと書いて侍女よ」
「我も嫌なるが、
新たな主君に忠義を尽くせ・・・・」
「はぁ・・・・」
お葉は武士の誇りゆえ乗り気では無いが、
武士の誇りゆえ両親にも逆らえず、
渋々東京の叔父の元に行く事にした。
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