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「おわっ!いたの?声かけてくれればいいじゃん。」 ごめん。あまりに気持ち良く歌い上げてたから。 「君が来るの遅いからだよー、まったく。でも、すっぽかされなくてよかったー。」 こんな真夜中に会う約束しなければって後悔してたんだよ。そうか、あのまま眠っていた方が良かったかもな。 「とか言いつつ、ちゃんと来てくれて、ありがとう。やっぱ優しいなぁ、君は。」 さて、立ち話も難だ。早く行こうか。 「テレヤかよっ。てか、なぜ制服?」 なんとなく、惰性で。よっと、校門案外高いな。 「そっか、私に合わせてくれたんだー。」 話が噛み合ってないけど。 「君は夜の学校、来たことある?」 文化祭の準備が長引いた時、くらいかな。不法侵入まがいな事すんのは、後にも先にも今日だけだろうな。 「マジメかっ。」 君は何度もありそうだ。 「まあねー。最近暇だからさー。オバケめっちゃいて楽しいよ?」 そうなんだ。 「テレヤで、マジメで、コワガリって。めんどくさいね。」 そんな事より、警備員いるじゃん。ばれない? 「へーきだよー。君、影薄いからさ、大丈夫。」 そういう事?そもそも鍵かかってるんじゃないの? 「外階段からいけば大丈夫。鍵あって無いようなもんだから。」 良いのか悪いのか。まぁ、平和って事か。 「そそっ、田舎サイッコー。おわぁ、ここでもよく見える!」 本当だ。上に行くのが楽しみだ。 「おっ、めずらしく前向きだね。そんなに私とロマンティックなことしてんのが嬉しいの?」 別に、単純に楽しいだけだよ。 「素直になりなよー。」
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