いつもあいつがとなりにいる。

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いつもあいつがとなりにいる。

ある日あいつは普通に帰ってきた。 足元はたどたどしかったが、なんとか歩けるようになっていた。 ブンブンとしっぽを振って、ご主人と共に帰ってきた。 四角い場所は狭くなった。 敷いてあるふわふわした布団は取り合いだ。 大抵は取ることができるが、時々取られてしまう。 狭い場所では大変だ。 ご主人の膝は取り合いだ。 最近は二人して膝に登る。 「重いよ。。」 しかし、私もあいつも耳を貸さない。 ここはどちらもが心地よく過ごす場所だ。 長い空白を経て、今日もあいつはとなりにいる。 いつもあいつがとなりにいる。 まあ、仕方ないのかな。 少し邪魔で、ご主人の膝を取るけれど。 そこを取り合うのが本当は楽しいのだ。 あいつの頭を舐めると、唸って威嚇してきた。 変わらない。 それがきっと一番だ。 いつもあいつがとなりにいる。
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