scene 2 私立英華高等学校 ー明澄の道

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 もちろんそれだけの価値ある大義のためならば、それもいいだろう。お前自身がそう思うなら。  だがこの戦いは、もとより俺たちは敗者だ。決した戦いの場を新たに移し、活路を見出すための戦いだ。お前たちが戦う場は、その道を切り開くため。続く後輩たちのために切り開く道は、見誤らないでくれ」  これが去る者に出来る精一杯。椿にはもう、続く後輩のために戦う場はないのである。 「最後に1つ。これは噂だが、大評議会直後に、蓮華の間で茶会が開かれたらしい」 「蓮華の間って……狸どもの化かし合い?」  思わずいつものように言ってしまう東山に、机を挟んで向かいにすわる花園が 「東山」 と苦笑交じりに窘める。 「桜花理事会『八葉の老師(はちようのろうし)』ですか」  花園が確認するように呟くと、有村が続く。 「その噂は執行部でも把握しています。  ですが先輩もご存じのことと思いますが、蓮華の間は所在が明らかではなく、噂の真偽は不明です」  桜花理事会最高決定機関である 『八葉の老師』 たちが集う蓮華の間。なぜ所在すら明らかではない茶会の開催が、噂となって流れてくるのか。そもそもそこからして謎なのである。 「執行部には狸の孫がいるじゃん。あいつも知らないのか?」     
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