1人が本棚に入れています
本棚に追加
エリアスは、シモンと名乗り城の庭師として最近雇われたばかりだった。
名を変えただけで、正体を知られることなく城へ入り込めたのは幸いだった。
会いたいと願ったリサに再会し、その日からというものの二人は逢瀬を重ねた。
ひと目を忍んで時を共にしたのは、庭道具を保管する小屋だった。
「エリアス……愛してる」
「……国王は、君をどんな風に抱くんだい?」
「そんなこと、訊かないで……」
「俺とどっちが巧い?」
嫉妬にはらんだ熱を宿した瞳で見つめる。
答を待つのでもなく、リサの柔らかな唇に唇をはわせる。
リサは国王を夫に持つ、王妃の身分。
罪悪感を負いつつも、この密やかな時間に酔っていく……。
最初のコメントを投稿しよう!