高貴な種族の誤算

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 世界に10数体。ヴァンパイアロードと言われるヴァンパイアの始祖の直系にあたる純血のヴァンパイアがいる。  混血種と比べると人間達からの攻撃の耐性は遥かに強く、十字架を見せても一瞬動きが鈍る程度、にんにくを見ても何の反応も示さず、銀での攻撃を受けても約10秒程で再生してしまう。  人間以外にも混血ヴァンパイの血を栄養源として摂取する事もあり、混血ヴァンパイア達からも恐れられる存在となっている。  人間と同じ食事をとる事で生命活動を維持する事ができ、人間の血液を摂取出来なくても死ぬ事は無いが、飢餓感が満たされる事はなく身体は弱まり気が狂いそうになる。  物理的に息の根を止める場合は心臓に木の杭を深く打ち込まない限り、例えバラバラにしようと灰にしようと即座に蘇ってしまう。  肉体を操作する能力を持ち永遠に若さを保つ事やネズミ、コウモリなどに化けること、肉体を気化して霧と化すことなど容易だ。  オマケに強い魔力を持ち様々な術を操り、一晩で1つの町を壊滅できる程の力を持つ。  そんなヴァンパイアにも、最大の敵と言うべき弱点があった。  それは遥かなる空の先から神々しく放たれる太陽の光。  ヴァンパイアの息の根を止める最善の策は、太陽の光を浴びせる事。  全てのヴァンパイアは紫外線に弱く、太陽の光やそれに近い光を浴びてしまうと一瞬にして全身が粉々になり無へと返る。  しかし、ヴァンパイアは夜しか活動する事が無く、昼の間は人間達が誰も知らないどこかの屋敷の、地下深くの部屋に置かれている棺桶の中で寝て過ごしている為、太陽の光を浴びせるのは容易い事では無かった。  そしてこの恐ろしい夜の生き物は想像上の生物であり現実の中に現れる事は無い。と思われていた。  だが  この国のとある地域では古くからヴァンパイアと戦ってきたという記録がある。
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