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 ピッ。  短い笛。  スローイン。  第四クォーター残り時間あと5分。  88対78。  5分あればじゅうぶんだ。10点差くらいすぐに追いつく。  序盤からカウンターの応酬だった。さすがは県内屈指の強豪校、こちらがシュートを決めたら、敵は必ず取り返してきた。  ここまで食らいついてこれたのは奇跡だ。でも、私たちの体力はもうとっくに限界を超えている。それでも、負けるわけにはいかない。  春日西中学女子バスケットボール部創設以来初の全国大会進出がかかっているのだ。  ダンダンダン。  敵3番がドリブルからパス。レンちゃんがカット。よし。こっち。きた。いいパス。  キキュッ、キキュッ。背後で独特のスキール音。みどりんが私の左手後方から右手に移動してくる。  目の前の敵ディフェンスにフェイントをかけつつ右にノールックパス。飛び込んできたみどりんがキャッチ。くん、と腰が落ちる。  敵ディフェンスが取り付く。でも遅い! いけ!  みどりんが放ったボールが弧を描きパシュッとゴールに吸い込まれた。リングに触れないスウィッシュシュート。スリーポイント。 「ナイッシュー!」ベンチと応援席から一斉に声が上がる。  88対81。     
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