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妄想カタリストとは私の目の前でトークに話を咲かせている二人に付けたあだ名だ。
「ねえ!美月はどっちだと思う!?」
「えっと、何が。」
二人は呆れたように溜息をつくと私に解説を始める。
つまりは…
某小説がBLなのではと先生が言い出し、この二人は登場人物達のカップリングをしていたというわけで…
“腐女子あるある”のいわゆる二人のカップリングが異なり、どっちが良いか討論になった。
討論の結果は決まらず私に決定を委ねたというわけ。
…いや、私関係ないやん。
それに私はお腹ぺこぺこで早くご飯が食べたいんじゃ!
「「どっちが良いと思う?」」
「どっちでも良いかな。」
「「よく考えてよ!!」」
…腐女子恐ろしや!!
「ごめんなさい。考えます。」
私はそう答えると真面目に考え出す。
ここは妄想カタリスト達の意見を混ぜこぜにして、いやいっそのことどちらかの方に軍配を上げれば良いのでは?
「……き」
でも、どっちかを選ぶなんて私には出来ないし、かといって何か言わないといけないし…
「…づき!」
ここはいっそのこと今授業でやってる二人にして…
「「美月!!」」
「はっ、はい!?」
「だから、ご飯食べるよ。早くしてよ、美月。」
「そうそう、もうお腹ぺこぺこだよ。」
可愛らしいお弁当箱を手に抱えた二人が私を早くしてくれと言わんばかりに見ている。
「それは私のセリフじゃー!!」
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