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そのため、スサノオの各班は担当する地区ごとに近隣のビルの屋上に中型多目的ヘリを待機させ、緊急事態の通報と出撃命令に呼応して『何時でも飛び出せる』ようにしているのだ。
こうした緊急出動体制が確立出来た事で、黄泉の確認・通報から駆除班が到着するまでの時間は『目標』とされる5分30秒を切るにまで短縮されるようになっていた。
「まもなく、通報現場上空に到着します!」
操縦士の呉井から、各メンバーのインカムに無線が入る。
「了解、高度300mを維持して降下タイミングを指示してくれ」
そこへ、司令室から状況報告が入る。
「目標地点より高熱エネルギー反応確認っ! 黄泉が『フェーズ2』に遷移します!」
「ふん‥‥話ゃぁ『早くなった』な」
頚部保護用のHANSを肩に取り付けながら、ボソリと桂が呟く。
いくら相手が狂暴化した『黄泉』だとは言え。
立場的には『被害者』とも言える『元・人間』を『他の国民を危害から守るため』とは言え、国家権力で殺す事を認めるのか‥‥は、大いに議論となった。
激論の末、『暫定措置として黄泉が怪物化した時点を以って、犠牲者が出ていなくても武器の使用を許可する』という判断に落ち着いたのだが。
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