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そのため逆に『怪物化一歩手前』の状態では、せいぜい『取り囲む』くらいしか手が無いのである。
しかし今回は葛城班到着前に『怪物化』に遷移している。
桂が言う『話が早くなった』というのは、これによって『何の躊躇もなく駆除が可能だ』‥‥という意味なのだ。
何しろ、手を打つのに早い方が越したことはないのだから。
「‥‥桂さん、口を慎んでください。そろそろ記録の電源を入れますからね?」
狭い荷室での装備取り付けに手間取りながら、通信担当の山喜が『断り』を入れた。
「準備してください!『降下位置』に来ました!」
呉井が荷室に居るメンバーに指示を送る。
「‥‥OK、Door・Open!」
ガチャン‥‥と、ロックの外れる鈍い金属音がする。
外の冷気が荷室に押し寄せ、急激に体温を奪いに掛かる。
ヒュゥゥゥゥ‥‥
風を切る音が眼下に聞こえる。
「GO!」
葛城が号令を掛ける。
地上から300mの上空。
まるで星空のように光輝く都会の空へ、葛城班の6名が一斉に飛び出して行った。
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