chap 1『黄泉』襲来

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《sec2 警告》 ビーッ!ビーッ! 夜の司令室に警告音が鳴り響く。 《 緊急警報、緊急警報。『黄泉』が出現。場所は『E地区-21ブロック』。繰り返します‥‥ 》 冷静な自動音声とは裏腹に、司令室は一気に慌ただしくなる。 「出たか‥‥またしても『E地区』とはね‥‥」 司令を務める山倉が、ため息混じりにモニターを覗き込む。 いくら任務とは言え。ここ最近は、ほぼ毎夜になっている『緊張感』は還暦に近い身体には流石に堪える。 「‥‥出現は間違い無いのか?」 「はい、付近にいた市民のアプリからも画像情報が上がって来ています。間違いないですね」 市民の持つスマートフォンの多くには、緊急用の通報アプリが入っている。それらが自動的に、情報を司令室へデータ転送してくるのだ。 「葛城班、こちら司令室。 黄泉出現! 直ちに現場へ‥‥」 コーディネータの若い女性が、当直の葛城班へ緊急出動を要請している。 「そうか‥‥『アマテラス』ではなく、『黄泉』か?」 いまいましそうに、山倉が「ちっ!」と舌打ちをする。 疲労も溜まってきている。出来る事なら早く『カタを着けたい』と願うのだが。     
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