神様なんていないのだろうか

2/2
前へ
/2ページ
次へ
会いたくて、会えなくて 朝、欠席した君を 待ち焦がれて、恋い焦がれて、 ずっと、ずっと、待っていた。 反対方向の電車だから 簡単には会えなくて 想いを告げようとした今日この日に、 君は風邪をひいたらしい。 神様仏様女神様を呪った。 私は一度調子が狂うと 立て直すのに時間がかかる。 次に決意が固まるのはいつの日か。 一ヶ月、一年、いや十年? 私はノロマなのだ。 きっとその間に、 君の隣は埋まってしまう。 いや、今日想いを告げても、 きっと隣には居られない。 それでも言わないよりはマシだろうと、 開き直っていたのに、それなのに。 運命を呪った。タイミングを呪った。 河原の土手の草の湿り気が なんだか涙のように思えて、 ぐっと目に力を入れたけれど、 体には力が入らなくて。 どさっと草むらに倒れて空を見上げたーーーー 「よぉ、どうした」 ーーーーら、なぜか君がそこに居て。 夕焼け空に、私の口から零れた 『四文字』が、 溶けて、緋色に変わっていった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加