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 私の初恋は早かった。  いや、もしかしたら遅かったのかもしれない。今となっては、出会ったあの瞬間に好きになっていたと分かるから。  私は秋野で、女子の中では一番最初だったから私の好きな人、三角桜とは特別席が近かったわけではない。それなのに私が最初に話しかけたのは彼女で、最初に友達になったのも彼女だった。小学一年生には似合わぬ大人びた雰囲気に引かれたのかもしれないし、ふと見せてくれた笑顔に惹かれたのかもしれなかった。  とにかく私はあの時、誰よりも彼女と仲良くなりたかった。  好きだと自覚したのは初めて彼女が制服に腕を通した時だった。ぶかぶかのそれを着て、あの姿はまるで彼女が制服に着られているようだったが、その後に照れくさそうに笑う彼女に胸が締めつけられたのを覚えている。  当時の私の周りでは「○○ちゃんが××くんのこと好きなんだって」やら「△△くんに○○ちゃんが告白されたらしいよ」やら、そんな噂が流行っていたから、あの感覚が恋だということは馬鹿な私でも何となく察せられた。  そして、それがおかしいのだということも嫌という程に分かってしまっていた。
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