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「そう考えると我々非テレパスってのは変ですねえ。お互い心細くて寄り集まっていながらいざ面と向かい合えばソッポを向いちゃうんですから。テレパスだったらこうはならないんでしょうか」
「そうねえ、テレパスはテレパスで苦労はあるでしょうけど、少なくとも今のトリノスみたいにはならないでしょうね」
「そんな、二人ともテレパスにいいようにされて、悔しくないの?」
コノハズクは必死に訴える、が。
「ね、コノハちゃん。あなたはまだ若いのよ。テレパスから実際に差別されているとかあれば別だけど、そんなことないでしょう? テレパスの数が多いっていっても誰に何を抗議しようというの。これは相手に文句をつけるんじゃなくて、私たち非テレパスがどうにかしなければいけないことよ。非テレパスなんて口を開けばテレパスへの不満を口にする人ばかりだけど、何だかんだ言っても皆薄々そのことを分かっていると思う。仮にオオワシが言ったような抗議を企画したとしてもどれだけの人が集まるかしら。それにね、下手に動けばオオワシが普段言っていることが冗談じゃなくなるかもしれない。本当にテレパスから目をつけられて今よりもっと不自由になることも考えられる。最悪ここトリノスが潰されることだってないわけじゃない」
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