一カ年千人計画

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 横からミサゴが得意げに口を挟む。 「でもねえ、コノハちゃんは優秀なのよ。こんなこと言っていても学校で一番の成績だったんだから」 「卒業の時、一番じゃなかったわ。主席はテレパスの子」 「それでも二番じゃない。ね、凄いじゃない? 凄いでしょう」  ミサゴは鼻高々である。 「なぜミサゴが自慢するんだい。まあ二番でも充分凄いじゃないか。そんな謙遜しないで、ミサゴみたいにもっと自慢してもいいと思うよ」 「うん……で、非テレパスのネットワークって?」  褒められるのに慣れていないのか、コノハズクは居心地悪そうにしてすぐに話題を変えてしまった。 「そうそう。そのネットワークだけど、まあそんな大層なものじゃないんだ。非テレパス同士で情報を共有しよう、助け合おうってことさ。例えばそうだなあ、さっきの話だとトビはテレパスの同期に随分遅れを取っていたようだけど、何かやった対策ってあるかい」 「対策ってほどじゃないですが、ボクの他に同期の非テレパスが二人いたので三人で協力するようにしましたね。上司の名前とか仕事のコツとかを教え合いました。あ、ひょっとしてネットワークってそれですか」 「そうだよ。それをもっと手広くやろうってわけさ」
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