トリノス

一カ年千人計画

「ゆくゆくは情報の取捨選択は必要だろうね。でも何が有用になるか分からないから今は特に制限はしない事にしよう。それにね、最初のうちは多分皆遠慮してなかなか情報が出てこないと思うんだ。情報が出やすくするためにも制限をかけずにオープンにした方がいい」
「そうですよ、ボクやミサゴさんのおしゃべりだって何かの役に立つかもしれませんよ」
　誰も何も言わない。ミサゴからも無視されてトビはうなだれた。
「ノスリは具体的にどうしようと思っているの？　こういう雑談だって立派な情報交換なわけでしょう？」
「実ははっきりした案があるわけじゃないんだ。取りあえず、ここの会議室で定例会議以外に週一で座談会みたいなのを開くとか、どうかな。いや、せっかくだから談話室でやってもいいかもね。会議室だとどうもかた苦しくなっちゃうから」