軛《くびき》

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「もう……ダメ……。」 課題として出されていた『炎』のパントマイム。 それがどうしてもうまくいかなかった。 何よりどう表現したらいいかわからなかった。 ついに私は挫けて泣きだしてしまった。 その時。 「……がんばれ……。」 ーーえ……?  彼がそう声をかけてくれたのだ。 いつもひとりで演劇の稽古をしている私に こんな事を言ってくれたのは彼だけだった。 そしてその時、私の世界の何かが始まったような気がした。
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