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何気なく「元気?」ってメールを送ると、帰って来たのは予想もしなかった返事
「実は今、病院にいるの。わたし、ガンらしい」
思いがけない返事に、胸の奥がギューンっと打ち付けられるように痛くなった
「病院どこ?すぐ会いに行く」
涙で滲んで画面が見えなくなりながらも、私はすぐに返信した
病院へ向かうバスの中、私は祖母の日記を開いた
おばあちゃん、ありがとう
これから親友の元へ向かいます
幸運を祈ってて
そう震える手で書いて、ページを閉じた
そして、親友のいる病室についた私
少し痩せた彼女に思わず抱きついた
「なんで言ってくれなかったの…?」
その言葉に彼女は笑った
「本当はね、言うのすごく迷ってたの」
「なんで?言ってよ」
「だって、自分からいきなり私ガンなの…って、なんかおかしくない?それに、受け入れるのに時間かかって…」
その言葉に胸が詰まる
「もっと早くに連絡してればよかったね…私、真紀と一緒に悩んで泣いてあげたかったよ」
「ううん、いいの…だって、今はね…ガンって、治る時代なんだよ?」
「治るの?」
「治療は長引きそうだけどね…治るって信じててくれる?私、頑張ろうって決めたから」
「うん、信じてる!何か私に出来ることがあったら言ってね?なんでも協力する」
私は親友の真紀とがっしりと手を握り合った
そして、真紀は言った
「あのね、私…千鶴には、今まで通りいて欲しい」
「今まで通り?」
「うん、普通に馬鹿なこと言って笑い合う時間が今の私には必要なの」
「そっか…わかった!じゃあ、高校生の頃放課後、何時間も話したみたいに…私、毎日おしゃべりしに来るね」
それから、毎日真紀の病室に通い
本当に他愛もない話しで笑い合った
病気のことには一切触れず
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