ぜろ

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ナツは空を見ていた。 今日の空は快晴だ。 風に運ばれて、緑の匂いがする。 爽やかだ。 青い空の中を動く空を見ていると心落ち着く。 これが、癒しと言うやつだろうか。 日々 忙しない現実を忘れてしまう。 というか、時間の概念を忘れられる。 いつまでも見ていられるような。 いや、できることなら、いつまでも見ていたい。 「ナツよ、いつまでアホ面晒して空を眺めてるつもりだ。」 下からナツを現実に戻す声がした。 ナツにとって辛い現実に。 「ハル、今話かけないで。今絶賛癒され中だから。」 「そんな大口開けてたら、また虫が入るぞ。」 「うっさいし。開けてないしーー。口開いてたとしても、深呼吸してただけだしーー。てか、虫入ったのアレ、寝てる時だしっ!」 「、、、、ナツは口を開かなければ、それなりの美人なのに、な。 そもそも大口開けて寝るな。ボーとするのは勝手だが口は閉じろ。」 「いちお、女の子だろう?」と下からハルが言ってくる。まるで幼子に諭すように。 まるで自分の方が正しいかのように、上から目線である。 「うるさい、人面犬!!」 ナツは怒った。だいたい、誰のせいでこんなど田舎にいると思っているのだ。
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