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「、、、、違う。ナツにお礼を言われることじゃない。オレがやったことは自分のためだ。本当はナツのためなんかじゃないんだ。」
ハルは言う。とても苦しそうに。
「オレは、オレの居場所を作るためにナツを利用したんだ。」
「、、、、、ハル。」
「ごめん、ごめんな、ナツ。」
ハルは目をぎゅっとつぶり、ポロポロ涙をこぼしながら何回も謝ってくる。
「ねぇ、ハル。別にそれって、悪いことじゃなくない?」
「は?」
「ハルは居場所が欲しかった。私はハルに慰められて元気になった。私達は家族になった。二人ともハッピーなら問題なくない?」
「ハルは私を騙してたみたいで、辛いみたいだけど。そういうの全部知ってたよ。
ハルはさ、実は上向くの好きじゃないよね。
いつも、私やお父さんに何か言ってからビクビクしながらこっちをチラ見するの知ってるよ。」
「なっ!?」
「ああ言うのを顔色を伺うと言うんでしょ。
でもさ、別に悪いことじゃないよね。
誰だって気にするよ。
むしろさ、ハルは居場所が欲しかったって言ってたけど私だってそうだよ。」
「私だって居場所が欲しかったよ。
ハルのとなりに。」
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