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さっ。
しゅたっ。
ささささささささささっ。
「何あれ?」
「猫?」
「あれ、猫じゃないよ?!」
「タヌキ・・・?」
「タヌキだぁ!!」
「タヌキが図書館に侵入してきたぁ?!」
何時もは静かな区立図書館に、1匹のタヌキが歩いているのを利用客が見つけて、騒然とした。
「可愛い!」
「でも・・・どうする?図書館の本が荒されたら・・・?」
「ほっとけば?」
「余り刺激を与えない方が・・・」
「ちょっと失礼します。」
図書館司書の康子は、モップを持ってズカズカと野次馬と化した利用客を掻き分けて、タヌキがよじ登る本棚へやって来た。
「すいません。あのタヌキをそっとしておいてくれませんか?」
「駄目よ!!」
康子は、大切な公共の為の書籍が侵入してきた、不穏なタヌキを追い払う為のモップを掲げてゴソゴソと蠢く本棚の前にやって来た。
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