2 修行のはじまり

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2 修行のはじまり

【第1の修行 保育園】 そこに、子供として紛れ込んだ。 人間達の記憶は、私がさも最初からそこにいたかのように神様によって操作される。 「さらちゃん、あそぼー」 『いいよー。』 「さらちゃん、お父さんの役ね!だからお仕事に行ってねー」 『はーい。』 少し困ったのは、家族ごっこ。 天使に家族という枠組みがないから、それは私にとって難しく、そして勉強になった。 嬉しいことに笑い、 悲しいことに泣き、 嫌なことには怒り、 ちょっとしたことを楽しむ。 そんな無邪気な子供たちを見ていると、天使の仕事も悪くないのかもしれない、そう思うようになった。 ─しかし、次からはそうもいかなかった。
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